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2026.01.16
コラム

廊下のない家≪動線計画≫

廊下のない家≪動線計画≫

― TOKYOなないろ工房家づくりコラム ―

   そろそろ、わたしたちの家のこと。

はじめての家づくりをやさしくガイドする、心地よい暮らしのために。

 

廊下をなくす設計は、「部屋をどうつなげるか」を徹底的に考える設計です。
空間を無駄なく使える反面、プライバシー・視線・音・空気の
流れといった見えない要素に配慮が必要になります。

 

【廊下をなくすと起きる変化】

廊下がないと、リビングやダイニングを経由して各部屋へつながる形になります。
これは空間効率に優れますが、隣接する空間同士の“距離のとり方”が曖昧になりがちです。

たとえば──

寝室とリビングが近すぎると、音が気になる来客の動線が居住空間を横切ると、落ち着かない一つひとつの空間が“途切れず”続くことで、

空間の切り替えができないこれらを防ぐためには、「つなぎながら、仕切る」設計が必要です。

 

 【建築的な工夫】

〜空間をつなげつつ、整える〜

 ≪ 空間に“緩やかな境界”を設ける≫

扉ではなく、天井高の変化・床材の切り替え・光のグラデーションなどで空間の性格を変える手法が有効です。

たとえば、リビングの一角に畳スペースを設けて天井を少し低くすると、同じ空間内でも“くつろぎ”の雰囲気が生まれます。

 

 ≪音をコントロールする設計≫

廊下を挟まないぶん、遮音性の高い壁材やドアの配置で音の伝わり方をコントロールする必要があります。
例えば、リビングと寝室の間にクローゼットや収納を挟むことで、音の緩衝帯をつくることができます。

 

 ≪視線の抜けと遮りを両立≫

壁を作らず開放的にしつつ、視線をコントロールするには、格子・スリット壁・家具の配置などで“見せる・隠す”を調整します。
特に玄関から家の中心が丸見えにならないよう、
視線の回り道を意識することがポイントです。

 

 ≪外部とのつながりを取り入れる≫

廊下の代わりに、縁側や中庭で“間”を設けると、内と外をゆるやかにつなぐことができ、空間に深みが生まれます。
たとえば中庭を囲むように部屋を配置すれば、
各室が独立しつつも、緩やかにつながります。

 

廊下のない家は、「空間の質」が試される

廊下をなくすことは、空間を最大限に活かす設計手法ですが、単に面積を広げるだけでは不十分です。
空間と空間の“間合い”や“雰囲気”をどうつくるか。そこに設計者の工夫が問われます。

見えない要素をどう丁寧に扱うか。それが、廊下を持たない家での快適性と豊かさを左右します。