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ここにある
これからのワークスペース設計術
― TOKYOなないろ工房家づくりコラム ―
そろそろ、わたしたちの家のこと。
はじめての家づくりをやさしくガイドする、心地よい暮らしのために。

前回のコラムでは、「とりあえずの個室」が招く後悔についてお伝えしました。では、本当に使いやすいワークスペースとはどのようなものなのでしょうか。これからの家づくりで主流となっているのは、「適度なこもり感」と「家族の気配」を両立させる、セミオープンスペースの設計です。完全に遮断するのではなく、光や音、気配をほどよく感じられる空間にすることで、仕事の集中と家族の団らんを無理なく両立させることができます。
- 「適度な距離」を生む3つの設計アプローチ
「こもりすぎない」集中空間をつくるには、壁の高さや配置に工夫が必要です。
- 「腰壁」や「室内窓」で視線をコントロールする
完全に壁で囲うのではなく、床から1メートルほどの「腰壁」で空間を仕切ってみましょう。ソファに座っている家族とちょうど目線が合わない高さに調整することで、仕事への没入感は保ちつつ、家族の存在をふんわりと感じることができます。また、壁の一部に室内窓(採光窓)を設けるのも、光を届けて空間をゆるやかに繋ぐ賢い手法です。
- 家事動線上に組み込む「通り抜け型」ワークスペース
行き止まりの小部屋にするのではなく、キッチンから洗面所へ向かう通路や、LDKから寝室へ抜ける動線の一部にカウンターを配置します。仕事中も家族が自然に行き交うため、孤独感を感じることがなく、オンとオフの切り替えもスムーズになります。
- あえて天井を下げる「ヌック」の活用 階段下やリビングの一角に
天井高を少し低くした「ヌック(洞窟のような小さなスペース)」を設けてみてください。物理的にはオープンでありながら、天井が低いことで本能的に落ち着ける「こもり感」が得られます。リビングの開放感と、自分だけの集中空間を同時に味わえる贅沢な設計です。
- 失敗しないための「実用3大ポイント」
デザインだけでなく、実際の使い勝手を左右する重要なチェックリストです。
・WEB会議の「背景と音」をケアする
オープンなスペースを選ぶなら、背景に生活感が出すぎないか、リビングのテレビや生活音がマイクに入りすぎないかをシミュレーションしましょう。壁の色や配置を工夫するだけで、会議中のストレスが大きく変わります。
・配線は「カウンターの下」で解決する
デスク周りで最も散らかるのがコード類です。床にコードを這わせないよう、カウンターの下に配線用の隙間や電源タップを隠せるボックスを設けておきましょう。「足元がすっきりしている」だけで、集中力は段違いに高まります。
・「可変性」で将来の変化に対応する
ライフスタイルが変わっても使い続けられるよう、デスクは固定しすぎない設計がおすすめです。仕事部屋として使わなくなった後は、趣味のコーナーや家計簿スペース、将来は子どもの学習デスクとしても使えるよう、汎用的な広さとコンセント配置を心がけましょう。
まとめ:我が家にぴったりの「距離感」をデザインしよう
「在宅ワークの定着」は、単に「仕事部屋を一つ増やす」ということではありません。それは、家族との心地よい距離感をデザインし直すプロセスです。トレンドの個室に流されるのではなく、あなたにとって「仕事がはかどるスイッチ」は何かを考えてみてください。設計士と対話を重ねれば、リビングの開放感と書斎の集中力が融合した、世界で一つだけのワークスペースが必ず見つかるはずです。




