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2025.08.08
コラム

地震に強い家とは

地震に強い家とは

― TOKYOなないろ工房家づくりコラム ―

   そろそろ、わたしたちの家のこと。

はじめての家づくりをやさしくガイドする、心地よい暮らしのために。

 

地震に強い家とは

 

ご存知の通り、日本は地震大国と言われ、
どの地域に住んでいてもそのリスクは避けて通れません。
万が一大地震が起きてせっかく建てた家が倒壊したり、傾いたりしたら…その悲しさは計り知れません。
そうなってしまわないよう、地震に強い家をつくることは必須となります。
まずは「倒れない・潰れない家をつくる」こと。
今回はそのために知っておきたい基本的な考え方と、最近の住宅づくりで注目されているポイントをご紹介します。

■ 地震対策には主に3つの構造がある
【免震】
建物の下に免震装置を設置し、地面の揺れを建物に伝えにくくする方法です。
大きな地震でも建物はほとんど揺れず、安全性が高まりますが、
導入には高額なコストがかかるため、主に高層ビルや重要施設で使われています。

【耐震】
建物自体を頑丈につくる方法です。
揺れを受け止めながらも、倒壊を防ぐ設計になっています。
地震の揺れを防ぐわけではないため、家具の転倒などには別途注意が必要です。

【制震】
建物の構造内部に揺れを吸収する「制震装置」を組み込む方法です。
揺れのエネルギーを抑えることで、建物自体の揺れが小さくなり、家具の転倒リスクも下がります。

現在は「耐震+制震」を組み合わせた家づくりが、一般住宅でも多く採用されるようになっています。

■ 「耐震等級3」は命を守るための基準
耐震性能の目安となるのが「耐震等級」です。
これは建物がどの程度の地震に耐えられるかを示した指標で、等級1〜3の3段階があります。

等級1:建築基準法に定められた最低限の耐震性能(震度6強程度の地震で倒壊しないレベル)
等級2:等級1の1.25倍の耐震性能(学校や病院などで採用されるレベル)
等級3:等級1の1.5倍の耐震性能(消防署や警察署など、防災拠点にもなる建物と同等の強さ)

耐震等級1は「倒壊しないレベル」とありますが、住み続けられるかどうかについて言及していない点は要注意です。
実際、過去の大地震で耐震等級1の家は住めなくなってしまったり、複数回の大地震で倒壊してしまっている例も多くあります。
大地震が起きることが予測される今、家族の命を守る家としては「耐震等級3」が必須レベルと考えるべきです。

■ 等級の取り方にも違いがある
ここで注意したいのが、
耐震等級3にも“取り方の違い”があるという点です。

・性能表示計算という簡易的な方法でも
耐震等級3は取得できますが、これはあくまで“目安”レベルの判断。
・本当に信頼できる強度を確認するには、
「許容応力度計算」という詳細な構造計算によって、建物の安全性を一つひとつ数値で検証していく必要があります。

つまり、同じ「耐震等級3」でも、根拠となる計算方法が違えば、実際の強さにも違いがあるということです。
だからこそ、長く安心して暮らすためには、
許容応力度計算に基づいて設計された家を選ぶことがとても大切です。