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勾配天井とは?
― TOKYOなないろ工房家づくりコラム ―
そろそろ、わたしたちの家のこと。
はじめての家づくりをやさしくガイドする、心地よい暮らしのために。

勾配天井とは?
屋根の傾斜に合わせて天井も傾ける設計で、
屋根裏部分まで居住空間に取り込まれます。
空間に立体感を出し、吹き抜けとは違う開放感を生み出します。
【メリット】
• 抜群の解放感
縦方向の視線が抜け、実際の面積以上に広がりを感じさせます。
特にリビングなどで効果的。
• 自然光を取り込める
高い位置に窓や天窓(トップライト)を設けられるため、
昼間の明るさが増し、プライバシーも保たれます。
• 通気性アップ
高窓と低窓で空気の循環を促進し、
暖気を自然に抜けやすくする機能的な効果があります。
• デザイン性の強化
梁を見せたり、ペンダントや間接照明を効果的に配置することで、
空間に個性と高級感を演出できます。
【デメリットと対策】
・建築コストが高め
壁面・天井施工量や足場工事などにより、通常よりも費用がかかります。
対策:導入範囲をコンパクトにし、足場不要設計や素材の選定でコスト調整。
・断熱・気密性に配慮が必須
構造上、熱が逃げやすく冷暖房効率が低下。
対策:屋根断熱+高性能断熱材、気密施工を徹底し、
シーリングファンで温度ムラを抑えます。
・メンテナンスの手間増
高所の掃除や照明・窓の交換には脚立や業者対応が必要に。
対策:長寿命LED採用、照明配置を脚立で届く高さに調整。
・照明計画が難しい
斜面に対応した照明の選択や取り付けを誤ると、デザイン性を活かせません。
対策:スポット・ペンダント・間接照明などを組み合わせた設計を意識。
・音の反響が起きやすい
広い空間構造ゆえ、雨音や生活音が響くことも。
対策:吸音素材の併用や家具設置で反響を抑制。
勾配天井は「開放感」「採光」「デザイン性」を
一気に高められる魅力的な選択です。その反面、
「コスト」「断熱性能」「メンテナンス」には配慮が必要です。
設計・施工段階でこれらの点を明確に検討し、
住み手の目的に応じた対策を取ることで、ゆったりと快適な住空間が実現できます。
