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ここにある
「家族が増える」ことを見据えた可変性のある間取りとは。
― TOKYOなないろ工房家づくりコラム ―
そろそろ、わたしたちの家のこと。
はじめての家づくりをやさしくガイドする、心地よい暮らしのために。

成長する子どもたちに合わせて「部屋を育てる」という考え方
マイホームの計画中、誰もが一度は「子ども部屋はどうしよう?」と考えます。
「将来のために、最初から5畳の個室を2部屋作っておこう」とカチッと決めてしまい
がちですが、実はここに、住み始めてから「使いづらい…」と後悔する落とし穴が潜んでいます。
子どもが小さいうちの十数年間、その個室はほとんど使われず、
ただの物置になってしまうケースがとても多いのです。
これからの賢い家づくりの正解は、最初から部屋を四角く区切ることではありません。
家族の成長に合わせて形を変えられる「可変性(かへんせい)」を持たせ、
家を一緒に育てていくという設計思想です。
1:【乳幼児〜小学校低学年】10〜12畳の開放的な「巨大プレイルーム」
子どもが小さいうちは、寝るのも遊ぶのも基本的には親と一緒です。
そのため、新築時はあえて壁を作らず、
【10〜12畳ほどの大きなワンルーム】として開放しておくのがベストです。
・今のメリット: おもちゃを広げてのびのび遊べるプレイルームとしてはもちろん、
家族全員で川の字になって寝る広々としたベッドルームとしても大活躍します。
リビング以外にこれだけ広い自由空間があると、
子育て期の毎日の暮らしに大きなゆとりが生まれます。
2:【高学年〜思春期】壁を建てずに「家具やスクリーン」で緩やかに区切る
子どもが成長し、「自分のスペースが欲しい」と言い始めたら、いよいよ空間を分ける
タイミング。ですが、ここでもまだガチガチの壁を建てる必要はありません。
・背の高い収納家具で仕切る
両側から使える2面仕様のワードローブや本棚を中央に
配置します。それぞれの収納を確保しつつ、空間を2つにセパレートできます。
・可動間仕切りやロールスクリーン
天井に下地を仕込んでおき、引き戸やロールスクリーンを設置します。
普段は閉めてプライベートを守り、
きょうだいで遊ぶときは開け放つ、といった柔軟な使い方が可能です。
3:【高校生〜大学受験】「2つのドアとスイッチ」で、いつでも個室化できる仕込み
「やっぱり完全に受験勉強に集中できる個室にしてあげたい」となったときのために、
新築時に絶対に仕込んでおくべき「2つのポイント」があります。
・ドア(出入り口)を最初から2つ作っておく
・照明器具と、そのスイッチの回路を2系統に分けておく
この2つさえ最初の設計図に入れておけば、将来ワンルームの中央に大工さんに
壁を作ってもらうだけで、あっという間に綺麗な2つの個室が完成します。
電気工事やドアの増設工事が不要なため、
将来のリフォーム費用や期間を驚くほど最小限に抑えることができるのです。
ステージ4:【子どもたちの独立後】再び大きなワンルーム、そして趣味の部屋へ
子ども部屋の本当の役割は、子どもたちが巣立った「その後」にあります。
もし最初からコンクリートや頑丈な壁で細かく区切っていたら、子どもが家を出た後、
使い道のない小さな空き部屋がポツンと2つ残ることになります。
しかし、可変性を持たせておけば、家具をどかしたり、仕切り壁を1枚撤去したりする
だけで、再び10〜12畳の広々とした快適な空間に戻すことができます。
ご主人の広大な書斎にするもよし、奥様のヨガやミシンのアトリエにするもよし、
夫婦のセカンドリビングにするもよし。住まいの寿命を縮めることなく、
一生モノの空間として愛し続けることができます。
家も家族と一緒に、ゆっくりと成長していけばいい
家を建てた瞬間が、その家の完成形である必要はありません。
大切なのは、ガチガチに固められた間取りに家族が合わせるのではなく、
家族のライフステージの変化に、家が優しく形を変えて寄り添ってくれること。
「部屋を育てる」という少し長期的でワクワクする視点を持って、
ぜひ未来の選択肢を広げる間取りプランを考えてみてくださいね。




