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2026.07.17
コラム

「老後も快適」な家にするための3つの工夫。

「老後も快適」な家にするための3つの工夫。

― TOKYOなないろ工房家づくりコラム ―

   そろそろ、わたしたちの家のこと。

はじめての家づくりをやさしくガイドする、心地よい暮らしのために。

 

 

今も将来も心地よい、持続可能な住まいの設計図

 マイホームを建てるとき、多くの人が「今の暮らしやすさ」や「子育てのしやすさ」を中心に考えます。しかし、家はこれから30年、40年、あるいはそれ以上長く付き合っていくパートナーです。「将来、年齢を重ねてもこの家でずっと安心して暮らせるだろうか……」そんな不安を解消するカギは、老後になってから大がかりなリフォームをするのではなく、新築の段階で「未来を先回りした3つの工夫」を仕込んでおくことです。実はこの工夫、シニア期だけでなく、小さなお子様がいる「今」の暮らしも劇的にラクにしてくれます。

 

工夫1:廊下の幅を「あと10cm」広げ、扉はすべて「引き戸」にする

一般的な日本の家は、廊下の有効幅が約75〜78cmで設計されることが多いです。これだと人がすれ違うのがやっとで、将来もし車椅子や歩行器が必要になったとき、方向転換すら難しくなってしまいます。

 

・廊下の幅を「メーターモジュール(約90cm)」に

新築時に廊下の幅を「あと10cm」広げておくだけで、車椅子でもスムーズに旋回できるようになります。これは今現在も、大きな洗濯カゴを抱えて歩いたり、お子様と並んで歩いたりする際のストレスを無くしてくれます。

 

・ドアは開き戸ではなく「引き戸」をメインに

前後の移動が必要な開き戸(ドア)に比べ、横にスライドさせるだけの「引き戸」は、車椅子や杖をついた状態でも圧倒的に開閉がラクです。また、小さなお子様が手を挟むリスクを減らし、風通りを調節しやすいという今のメリットも抜群です。

 

工夫2:「1階だけで完結する」寝室スペースの柔軟な確保

 年齢を重ねるにつれて、最も足腰の負担になるのが「階段の上り下り」です。2階に主寝室がある間取りだと、将来的に1階だけで生活することが難しくなってしまいます。そこでおすすめなのが、【1階に3〜4.5畳ほどの小さな個室(または畳スペース)を確保しておく】設計です。

 

・ライフステージに合わせた変化

子供が小さいうちは「おもちゃ部屋や昼寝スペース」として使い、在宅ワークが増えれば「書斎」に。そして将来、階段の上り下りが辛くなったらそこを「夫婦の寝室」に変える。

 

・「1階完結型」の安心感

1階にキッチン、お風呂、トイレ、そしてコンパクトでも寝室になるスペースがあれば、実質「平屋」のようなワンフロア暮らしが可能になります。この柔軟性が、数十年後のあなたを支える最大のセーフティネットになります。

 

工夫3:水回りの「またぎ」と「立ち上がり」の段差をなくす

 老後の家庭内事故で最も多いのが、浴室やトイレなどの水回りでの転倒です。

 

・お風呂のまたぎ高さを低く

最新のシステムバスは、浴槽のフチの高さが「またぎやすい40cm前後」に設計されているものが主流です。さらに、浴室の出入り口の段差をゼロにする「ノンステップ排水」を採用しておけば、つまづきを徹底的に防げます。

 

・トイレは「横幅」を広めに確保する

将来、介助が必要になったときのことを想定し、トイレの空間は一般的なサイズよりも横幅を少し広げておきます。今はお掃除がしやすく、将来は車椅子ごと入れるゆとりが生まれます。

 

今の快適が、そのまま未来の安心になる

「老後のための家づくり」と聞くと、なんだか少し気が早いような、素朴で味気ないデザインを想像してしまうかもしれません。しかし、本当に優れたバリアフリー設計とは、「誰にとっても使いやすく、デザインとして美しい住まい」です。家族の成長や変化に合わせて、優しくカタチを変えながら寄り添ってくれる家。変わらない価値を持ち続け、何十年先も「この家が一番心地いい」と思える、そんな素敵な住まいを最初の設計図から描いてみませんか?