ブログ/コラム

ここにある
光を操りをデザインする
― TOKYOなないろ工房家づくりコラム ―
そろそろ、わたしたちの家のこと。
はじめての家づくりをやさしくガイドする、心地よい暮らしのために。

今の家づくりは「隅々まで明るいこと」を優先しがちですが、実は「影」を上手に作ることで、住まいはもっと安らげる場所になります。窓の設計や照明の工夫で、光と影の心地よいバランスを整えるヒントをご紹介します。
1.窓の工夫で、外の光を「優しく」変える
強い日差しをそのまま入れるのではなく、ワンクッション置くのが、居心地の良い部屋を作るコツです。
・光を和らげる障子の力
朝の強い光も、障子を一枚通すだけで、部屋全体を包むような優しい光に変わります。窓枠のデザインが影となって床に映り込む様子は、時計を見なくても時間の移ろいを感じさせてくれます。
・深い軒(のき)のメリット
屋根の出を深く設計することで、夏の厳しい日差しは遮り、冬の低い光だけを部屋の奥まで取り入れます。
・高窓から夕陽を採り入れる
壁の高い位置に窓を設けることで、外からの視線を遮りながら、空の明るさだけを効率よく室内に届けます。
2.「照らさない場所」が、素材の良さを引き立てる
夜の照明は、ホテルのラウンジや落ち着いたレストランをイメージしてみましょう。
・「白すぎる光」を避ける
オフィスのような白い光ではなく、温かみのあるオレンジ色のライトを使うと、木の床や塗り壁の質感が見違えるほど美しく浮かび上がります。
・光を絞って落ち着きを作る
天井の電気を一つだけ点けるのではなく、スタンドライトなどを低い位置に置きます。あえて暗い場所を作ることで、光が当たっている場所の心地よさが強調され、自然と心が休まります。
3.「少しの暗さ」が、心のリラックスにつながる
「少し暗いかな?」と感じる空間は、実は目と脳を休めるのに最適です。
・目が慣れる時間を楽しむ
明るい場所から少し暗い部屋に入ったとき、最初は何も見えなくても、次第に目が慣れてくる感覚。このゆったりとした時間の流れが、一日の疲れをリセットしてくれます。
・数値では測れない「住み心地」
断熱性などの数値も大切ですが、風の通り道や光の入り方、そして影の作り方まで考え抜かれた家は、住むほどに愛着がわくものです。
便利さを求めて「明るさ」ばかりを優先するのではなく、あえて影をデザインする。 そんな工夫が、新しい住まいでの毎日を、もっと豊かで静かな時間に変えてくれます。




